「貴女は、あの者を受け入れるおつもりなのですね?一切悉有仏性(イッサイシツウブッショウ)の理(コトワリ)を実践する為に??」

「そこまで理解して頂けているなら、話は早い。ボクは、あの者を六星に迎えます。既に《傀儡術》を施しました。今…彼の魂は、ボクの中に在ります。」

 誰も、何も言わなかった。
責めるでもなく、従うでもない…。

只、事実を『事実として』懸命に受け止めようとしている。

もしかしたら。
首座の命令だから、逆らえないだけなのかも知れない。

 …その時だった。

「良いお考えじゃありませんか?我々は賛成ですよ。」

 皆を代表して『賛同』の意を表したのは、《風の星》の前当主──神崎右京だった。楽天的で飾らない性格そのままの言葉に驚いたのは、ボクだけではない。

右京の傍らで、瑠威が、信じられないものを見る様に瞠目している。

『嘘だろ、親父。何、言ってんだよ!?』

 瑠威の貝殻色の唇が、はっきりそう動いた。
右京は息子を制する様に一蔑してから、ボクを見上げて言う。

「貴女がそういう結論を出されるだろう事は、既に予測済みです。伸之が…生前、同じ事を言っておりましたからね。」

「親父が?」