眷属が、美味そうに蛇霊を丸呑みするのを見届けた後…ボクは、羯磨を翳して命じる。
「お戻り、テン。」
白貂の神霊はキィ!と鳴いて、忽ちペンダントの中に消えた。
この光景を見た烈火は、肩で小さく息を吐いて言う。
「分霊といい、御霊喰(ミタマグ)らいの白貂といい…何度見ても奇妙な光景だぜ。ところで、薙?」
…と。不意に真顔になって──
「こいつをどうする気だ?まさか、保護するつもりじゃねぇよな?」
「その『まさか』だと言ったら?」
「はぁ!?」
烈火はポカンと口を開けて絶句し、束の間、ボクを凝視した…が、ややあって。
「おいおいおいおい!マジかよ!?そんな事出来んのか??コイツは鈴掛の次席なんだ!俺達の敵だぜ??」
「違うよ。彼は救いを求めて来たんだ。」
「救い…?」
「巳美春臣は鈴掛一門から離れ、六星一座に救いを求めた…それが、この騒動の真実だよ。」
「真実って…言われてもよ。」
困惑の入り混じった溜め息が、周囲から洩れる。彼等の心情が解るだけに、ボクは却って冷静になれた。
穏やかに諭す様に…想いを込めて、本音を明かす。
「ボクは、鈴掛行者にも救いは必要だと思っている。正しい道を求めて縋がって来た者を、無下に追い返す事なんて出来ないよ。」
「だけど──敵だった男ぜ?」
「今は違う。彼はボクの傀儡だ。神子の手駒の一つになったんだ。」
「──それが、貴女の裁定ですか?」
神妙な顔で訊ねる蒼摩に、ボクは大きく頷いて見せた。
「お戻り、テン。」
白貂の神霊はキィ!と鳴いて、忽ちペンダントの中に消えた。
この光景を見た烈火は、肩で小さく息を吐いて言う。
「分霊といい、御霊喰(ミタマグ)らいの白貂といい…何度見ても奇妙な光景だぜ。ところで、薙?」
…と。不意に真顔になって──
「こいつをどうする気だ?まさか、保護するつもりじゃねぇよな?」
「その『まさか』だと言ったら?」
「はぁ!?」
烈火はポカンと口を開けて絶句し、束の間、ボクを凝視した…が、ややあって。
「おいおいおいおい!マジかよ!?そんな事出来んのか??コイツは鈴掛の次席なんだ!俺達の敵だぜ??」
「違うよ。彼は救いを求めて来たんだ。」
「救い…?」
「巳美春臣は鈴掛一門から離れ、六星一座に救いを求めた…それが、この騒動の真実だよ。」
「真実って…言われてもよ。」
困惑の入り混じった溜め息が、周囲から洩れる。彼等の心情が解るだけに、ボクは却って冷静になれた。
穏やかに諭す様に…想いを込めて、本音を明かす。
「ボクは、鈴掛行者にも救いは必要だと思っている。正しい道を求めて縋がって来た者を、無下に追い返す事なんて出来ないよ。」
「だけど──敵だった男ぜ?」
「今は違う。彼はボクの傀儡だ。神子の手駒の一つになったんだ。」
「──それが、貴女の裁定ですか?」
神妙な顔で訊ねる蒼摩に、ボクは大きく頷いて見せた。