すると。一触即発の不穏な気配を察したのか、烈火が柄にも無く空気を読んで、自ら話題を変えて来た。

「……まぁ。何にせよ、これで《六星一座》は完全若返りを果たしたって訳だ。当主の平均年齢十七歳、しかも史上最強だ!前途洋々ってやつじゃね??」

 平均年齢十七歳──か。
だけど若返りした分のデメリットも否めない。
『力』はあっても、経験が浅過ぎる。
最年長の烈火でさえ、未だ二十四歳だ。

各家とも、経験豊富な《四天》を附けているのは、年若い当主を技術面でフォローする為である。

 蒼摩などは、その典型だ。

『優秀過ぎる』四天達にしてやられる一方で、苦労も多い様だが…そこは我慢のしどころだろう。

 ──ところで。火邑家の四天は、どういう雰囲気なのだろう?そう云えば、未だ会った事がない。ボクは興味津々で、話題を振った。

「ねぇ。烈火の四天は、どんな感じ?」

「ウチか?ウチの連中は…まあ、普通に強いぜ??」

 ──『普通に強い』とはなんぞ?
相変わらず、烈火の話は要領を得ない。
普通なのか、強いのか。
そこの處ろをハッキリして欲しいものだ。

「まあ、現場に出れば解るって!これから宜しく頼むぜ、金剛首座さま!!」

 バン!と背中を叩かれ、ボクは大きく前につんのめった。

「痛いな!!何するのさ、烈火!」

「悪りぃ悪りぃ!…つか、お前。背中までガリなんだな。ちゃんと食ってるか?もっと太れよ。んで、胸にプルンと谷間が出来る様に、こう~して寄せて上げるんだ。何なら、俺がマッサージしてやっても」

 ドカッ!

背後から、遥と苺のダブルパンチが決まった。一慶に続き、烈火がその場に蹲まる。自業自得だ。悪いが、同情はしない。

全く…こんな調子で大丈夫なのか、新生一座は?