朽ち木の様な物体が写っている。

他の写真と見比べてみたが、どれも似た様なものだった。角度を変えて写された『それ』が一体何なのか、判然としない。

 無造作に山積みにされた写真の束を取ると、ボクは次々に目を走らせた。

そして、ある一枚の写真に目が止まる。

 枯れ枝の様な手足に、細く萎えた腰。
頚椎の部分は殆どバラバラで、一部が大きく欠損している。

その先は、ドライフルーツの様に小さく萎んだ、頭蓋骨に続いていた。虚ろな眼窩と、剥き出しになった白い歯だけが、ヤケに目立つ。

 僅かに残った頭皮には、乱れた髪の毛が僅かばかり生え残っていた。

「これ、は…??」

 ボクは、漸く気が付いた。
これは、白骨化した死体の写真だ。
グロテスクな映像に目が釘付けになる。

 込み上げるのは、震えと嘔吐。
思わず両手で口を覆う。

「これ、もしかして…?」
「そう。千里さんだよ。」

 散らばった写真を束ねながら、祐介が言った。

「先日、検死に立ち会わせて貰った。白骨化が進んでいたから、大した成果も得られなかったけれどね。」