蒼摩は、淡々と話を続ける。
「くちなわ神社は、今から六年程前に宮司一家が失踪して以来、長い間放置されてきたのです。最近、やっと社殿を取り壊す事になり、姫宮家が跡地の浄霊を請け負いました。この魔鏡は、その敷地内にある古井戸から発見されたのです。」
「古井戸!? どうしてそんな所に?」
「さぁ…経緯の程は解りませんが。仮に、これが藤原薬子の《依代》と知って棄てられていたのだとしたら、随分ぞんざいな扱いですね。」
陶器の様に滑らかな白い頬を、微かに歪める蒼摩。その横顔に、ボクは言い知れない不安を覚えた。
「首座さま。」
不意に、蒼摩が真摯な目を向ける。
「鈴掛一門縁りの神社から、天魔の《依代》が発見された。これが何を意味するのか…お解りになりますか?」
ボクは頷いた。
「天魔の復活に、鈴掛一門が絡んでいる??」
「そうです。鈴掛一門が、陰で《藤原薬子》を動かしていた可能性は充分にあります。」
「じゃあ、信長の依代が消えた事も?」
「それはまだ断定は出来ませんが、彼等が奪ったと考えれば合点がいく…。それは、一座の皆が言わずもがなに思っている事でしょうね。」
「くちなわ神社は、今から六年程前に宮司一家が失踪して以来、長い間放置されてきたのです。最近、やっと社殿を取り壊す事になり、姫宮家が跡地の浄霊を請け負いました。この魔鏡は、その敷地内にある古井戸から発見されたのです。」
「古井戸!? どうしてそんな所に?」
「さぁ…経緯の程は解りませんが。仮に、これが藤原薬子の《依代》と知って棄てられていたのだとしたら、随分ぞんざいな扱いですね。」
陶器の様に滑らかな白い頬を、微かに歪める蒼摩。その横顔に、ボクは言い知れない不安を覚えた。
「首座さま。」
不意に、蒼摩が真摯な目を向ける。
「鈴掛一門縁りの神社から、天魔の《依代》が発見された。これが何を意味するのか…お解りになりますか?」
ボクは頷いた。
「天魔の復活に、鈴掛一門が絡んでいる??」
「そうです。鈴掛一門が、陰で《藤原薬子》を動かしていた可能性は充分にあります。」
「じゃあ、信長の依代が消えた事も?」
「それはまだ断定は出来ませんが、彼等が奪ったと考えれば合点がいく…。それは、一座の皆が言わずもがなに思っている事でしょうね。」