──気まずい沈黙の中。
蒼摩が、不意にボクを覗き込んで言った。

「これは、あくまでも仮説なのですが。」
「うん──？」

「首座さまは、金目になっている間だけ、歴代の神子達と繋がっているのかも知れませんね。」

「繋がっている？」

「えぇ。貴女は、金目になった時点で、ちょうど彼等の《世界》にログインしている様な状態になるんです。神子達の記憶と、貴女の祈りとがリンクする事で、法術が自在に使える様になるのかも…。」

　成程、そうかも知れない。
何しろ困った時ほど、とんでもない解決法を思い付く…そして。

そんな時のボクは、ほぼ無意識の内に判断し、行動しているのだ。

「ふぅん？何だか良く解んねぇけどさ…。やっぱ、薙は『特別』って事だな。」

　烈火の呟きに、珍しく蒼摩が同意した。

「まぁ、その一語に尽きますね。神子とは、首座としても行者としても規格外なんでしょう。僕達《六星行者》の常識では、到底図り知れない次元で行動なさっていらっしゃるようですから。」

　…そういう言い方をされると。
何やら、自分が人間ではなくなってしまった様な気がして、怖い─…