──こっぴどく叱られてしまった。
だが、一慶の言う通りだ。
いちいち御尤(ゴモット)もで、返す言葉も無い。

自分で言うのもあれだが…今回ばかりは、少し遣り過ぎだったと思う。

 改めて考えなくても解る。
ボクは、自然の摂理を覆す様な、とんでもない事をやらかしてしまったのだ。

 霊体には通常、『意思』のある者と無い者とがいる訳だが──。

『意思のある霊体』は、この世に強い思いを遺しているが故に《霊障》を起こしたりする。これを、怨霊と呼ぶ。

 一方、『意思の無い者』は、既に成仏しているか、又は風化している状態なので悪さはしない。

《霊気》だけが現世に滞まり、ゆらゆらと漂うだけで、いつしか自然消滅してしまう。

 所謂る《浮遊霊》というヤツだ。

ボクは、つまり『意思のある天魔』の霊を握り潰して消滅させ、その結果、薬子を『浮遊霊』にしてしまったらしいのだ…。

 恐らく、通常起こり得ない現象なのだろう。それは、皆のリアクションを見れば容易に判断出来る。

 …こんな風に。

《金目》になっていると、常識では考えられない事が出来る様になる。知る筈の無い修法や理念も、いつの間にか使い熟(コナ)しているのだ。

 しかも、ボク自身が無意識に行っている事だから、制御が利かない。