──白状すると。
本当に薬子を調伏出来るかどうかは、解らない。金目の効果で知識だけは有るが、ボクは、このレベルの魔縁《マエン》と闘った経験が皆無なのだ。

そもそも、天魔とは、伏せ込む事が出来ない無為(ムイ)の存在である──成功率は、五分五分といったところだろう。

 だが。
そんなハッタリも、薬子には充分通じた様だった。

(試しに、この場で貴様を調伏してやろうか?それが嫌なら正直に答えよ。お前達の主は今、何処にいる?)

『し、知らぬ……ギャアアァ!』

 ボクは、薬子の霊体を更にキツく握り締めた。

『ぐはあぁっ!!』

ジジッ、ジリジリッ!

 握り締める度に、掌が焼ける様に痛む。
だが構わない。何が何でも口を割らせてやる!

激痛を堪え、ボクは尚も強く手に力を込めた。

(言わぬか?ならば、このまま──!)

『本当に、知ら…ぬのじゃ…!ぅぐっ、や…め・ろ……っ!!』

 薬子は悶絶寸前だった。
どうやら、本当に知らないらしい。
当てが外れて、ボクは少し消沈した。

(では質問を変えよう。現在の、信長の依代は何だ?)

『……ぐっ…ゥアア…』