意外な展開になった。

ボクは思いも掛けず、新生・六星一座の力量を試す機会を得たのかも知れない。《星併せ》に依る相乗作用の効験も、実際にこの目で見る事が出来そうだ。

 新たな局面に、胸が高鳴る。
後は、烈火のフォローに姫宮蒼摩が居れば完璧なのだが…生憎、彼は不在だ。だけど──

 出来る限りの事をしよう。
大丈夫だ、ボクには頼もしい仲間がいる。

「よし…!では先ず、邪魔な狐霊を追い出してしまおう。テン、おいで!!」

 ピィ──!

ボクの召喚に、白貂の眷属は一際高く鳴いて応えた。二股の尾を翻し、足元に纏わり付く。

「頼むよ、テン?」

優しく頭を撫でると、甘えてキュウと鼻を鳴らす。

 手に触れる実体の無い、眷属霊…。

撫でたところで、只すり抜けるだけの指先だが、それでもテンは、満足そうに目を細めてボクに擦り寄った。