「貴方がたが護るべきは、一座ではない。正しい仏の道だった筈だ。なのに、古い掟に自ら縛られて、本来あるべき姿を忘れてしまった。異能者は、今後も生まれ続けるだろう。向坂家だけでなく、全ての《星》に。でもボクは、それもまた自然の営みの一端だと思う。彼等を偏見の目で見るのではなく、受け入れる道を模索すべきだ。今正さなくては、この先もっと間違った方へ流されてしまう。」

 繰り返す近親婚と、純血への拘り。

神を使役し、霊を縛り付け──その結果、連鎖する呪いの様に、一座は多くの《異能者》を生み出してしまった。

《白児》と呼ばれるアルビノの子供が繰り返し生まれるのも、多分その所為だろう。

異端のレッテルを貼られた彼等は、倣(ナラ)わしに従って処分された。それは、決して許される事ではない。

 重んじるべきは、命なのだ。
倣わしや慣習ではない。

「今の一座の在り方は間違っています。罪の記憶を消しても、罪そのものは消えないんだ。これは、正しい処分とは言えない。一座の対面を保つ為の、姑息な隠蔽工作に過ぎません。」

 気付いて欲しい。
どんな隠し事も、神通無限のみ仏の前では、全て無意味だという事を。

人は人のまま、生きて浄土に辿り着けるという事を…。

 明日の《六星一座》の為に…。
ボクは、心を込めて皆に語り掛けた。