「ご存知の様に…ボクは『外から来た者』だ。だからこそ、一座独自の慣習や、閉鎖的な仕来たりを異様に感じてしまう。鷹取さん…貴方には当たり前の事でも、ボクはそれに違和感を覚えるんだ」

「───。」

「白児(ハク)への仕打ちは、その最たるものです。血筋を重んじるあまり、貴方がたは、次第に道を誤ってしまった。…断言しても良い。六星一座は病んでいる!」

 真織が、ハッとして顔を上げた。
不意にボクと目線が絡む。

『…首座さま、それ以上は!』

 真織が、ボクの心に話し掛けて来た。
心配している…この発言が、ボクの立場を危うくするのではないかと。

『大丈夫。ボクに任せて』

 力強く微笑んで見せると、真織は思い詰めた顔で、小さく頷き返した。

 皆が、ボクを見ている。
ボクの言葉に、耳を傾けている。
一座の黒歴史とも云うべき、白児の迫害…それを改めて言及されて、誰も口を挟めない。

 今なら、ちゃんと話が出来そうだ。
ボクは、ここぞとばかりに思いのたけを打ち撒けた。