そして、案の定。裁定者達の大半が、鷹取と同じ意見を主張した。

真織の処分を高らかに主張する傍ら、玲一に対しても、当主として…父親としての責任を厳しく追及して来る。

 皆が、厳重処分の方向で結論を急いでいた。烈火や篝の援護射撃も、全く取り合って貰えない。

 若いという、それだけの理由で──。
彼等の意見は、真っ向から切り捨てられた。
予想された事とは云え、あまりに早い展開だ。何やら雲行きが怪しい。

…敗戦の色が濃くなってきた處ろで。

《土の星》筆頭総代・三谷が、前日行われた、一族審問会の様子を詳細に語った。

 内容は、これ迄の遣り取りと同じである。

向坂家の大半が…やはり、真織の処分と、当主の早期交代を迫ったらしい。

 本来なら当主である玲一自らが審問結果を報告する筈だったのだが…彼は見るからに憔悴し切っていて、とても何かを語れる状態じゃなかった。

其処に座っているのが、やっとという感じである。

 一方の真織は、裁定者達に乞われるまま、呪殺の経緯や動機を事細かに説明した…だが。その都度、彼等の厳しい批判に合っていた。

 ここまでは、予め覚悟をしていた通りの展開だった。想定外だったのは、やはり、鷹取雅彦の存在である。