一慶の誘導に合わせて、静かに祈りを深めてゆく。言葉は乱暴だけれど、彼は丁寧に根気良く導いてくれた。

 だけど。一心に祈り込んでいるつもりなのに、どうにも上手くいかない。祈れば祈る程、雑念が湧いて来るのだ。落ち着こうと思うのに、どうしても焦ってしまう。

 ──情けない。
こんな事で、どうやって皆を救うと云うのだろう?

真織を助けたいと、あれほど息を撒いていたのに、今のボクは、この体たらくだ。

 まだまだ、紫の足元にも及ばない。
神子の特性があれば何とかなるかと思っていたが…それが、そもそも浅慮だったのかも知れない。

 自分の力を過信していた──。
神子が掌(ツカサド)る金目の力さえ、全くコントロール出来ないなんて。

 …駄目だ。
祈るどころか、どんどん自虐的になっていく。

これでは本末転倒だ。
落ち着こう。落ち着かなくては──。