「じっ、じゃあ休んでなきゃ駄目だよ!」

 ボクが忠告すると──。

「休むよ。その為には、薙の傍に居なきゃいけないんだ。一緒に寝てくれるって、約束したよね?」

 ケロッとした顔で、紫は言う。

「ねぇ、薙。また、あれやってよ。背中ポンポンってやつ。僕、あれ大好き。」

 何を言い出すかと思えば…!
あの約束を、彼は確(シッカ)り覚えていたのか!?

「いいよね、薙?」
「い、いいよね…って。」

「いいって言ってくれなきゃ、鍵を返してあげないよ?」

 こ、これは一体…!
ボクは、どうしたら!?

「寝てやれよ。」
「は…!? 何言い出すの、一慶!」

「紫の事だ。どうせ『寝る』以外の意味なんてないさ。寝てやれよ、約束したんだろう??」

 いや、寝てやれよって言われても──!