慌ただしい足音が近付いて来たかと思うと、スラリと襖が開いて、四人の男性が入って来る。
皆、身に纏う空気が尋常でない。
研ぎ澄まされた刀の様な、この気配は──《護法》じゃない、《四天》だ。
息を飲んで立ち尽くしていると、最年長らしき男と目が合った。
一文字の眉に、厚い唇。
太い首と、盛り上がった肩の筋肉が、作務衣の上からでもはっきりと見て取れる。
屈強という言葉が、これ程似合う人も居ないだろう。その彼が…徐ろに歩み寄り平伏した。
「お迎えに上がりました、首座さま。」
「貴方は?」
「向坂隆臣(サキサカタカオミ)。現当主の甥に当たる者です。こちらの者達は、次代の四天を相い勤めます。以後、御見知りおき下さい…紫もな。」
男達が、一斉に頭を下げる。
これが《土の星》の次期四天衆…。
洗練された身のこなしから、皆、かなりの手練れだと判る。
彼等を前にした途端、ボクの首に獅噛み付いていた紫が、スッと離れた。その顔から、子供らしさが消えている。
自分が遵える四天衆に相見(アイマミ)えた事で…当主としての、彼の資質が目覚めたのかも知れない。
思慮深さと峻厳さを兼ね備えた表情は、当しく《黄泉の番人》そのものだった。
挨拶が済むと…隆臣は、早速とばかりに真織を見据えて言い放った。
皆、身に纏う空気が尋常でない。
研ぎ澄まされた刀の様な、この気配は──《護法》じゃない、《四天》だ。
息を飲んで立ち尽くしていると、最年長らしき男と目が合った。
一文字の眉に、厚い唇。
太い首と、盛り上がった肩の筋肉が、作務衣の上からでもはっきりと見て取れる。
屈強という言葉が、これ程似合う人も居ないだろう。その彼が…徐ろに歩み寄り平伏した。
「お迎えに上がりました、首座さま。」
「貴方は?」
「向坂隆臣(サキサカタカオミ)。現当主の甥に当たる者です。こちらの者達は、次代の四天を相い勤めます。以後、御見知りおき下さい…紫もな。」
男達が、一斉に頭を下げる。
これが《土の星》の次期四天衆…。
洗練された身のこなしから、皆、かなりの手練れだと判る。
彼等を前にした途端、ボクの首に獅噛み付いていた紫が、スッと離れた。その顔から、子供らしさが消えている。
自分が遵える四天衆に相見(アイマミ)えた事で…当主としての、彼の資質が目覚めたのかも知れない。
思慮深さと峻厳さを兼ね備えた表情は、当しく《黄泉の番人》そのものだった。
挨拶が済むと…隆臣は、早速とばかりに真織を見据えて言い放った。