そうしている間にも、状況は目まぐるしく変化していく。彼の指から放たれた光に呼応するかの様に、骨片が蒼く発光し始めたのだ。

 双方で呼び合う様に…蒼い光は、刻々と輝きを増してゆく。

規則正しく明滅を繰り返す。
宛ら、呼吸をしているかの様だった。

 とくん…とくん…とくん。

心音に重なる優しいリズムと、幻想的な光の競演に、目も心も奪われてゆく──

「薙。」

 名を呼ばれて、ボクは我に還った。
彼が、穏やかな眼差しで此方を見ている。

「良く聞いて、薙。僕は今、キミのお父さんと、この指先で繋がっている。」

「繋が…って?」

「そうだよ。今なら、少しだけ話も出来る。お父さんに、何か伝えたい事は?」

「伝えたい事…」


 突拍子も無い事を言われている筈なのに…ボクはもう、彼の言葉を疑わなかった。


親父に伝えたい事…
今ボクが、親父に伝えたい事は……

「──父さん。父さんは…ボクを、どう思っていたの?」