「この御時世だからな。一座も少子化傾向にあるし…今じゃあ、どの家も、跡目を絶やさない事を最優先に考えているんだよ。嫡子を男児優先とする倣わしも、時代と共に薄れつつある。いつまでも、直系の血に拘るのは《金の星》だけだ。」
成程…。一座と言っても、一概に同じ考えを持っている訳では無いらしい。各々、時流に併せて『決まり事』を緩めているのだ。
「えぇ。六星各々に御家事情は違います。向坂家は、こんな風に大々的な審議会は行いません。候補者を絞り込み、優秀な者だけを当主として育てるという方法を取っています。私は、その脱落者なのです。」
真織がそんな風に自嘲するので、ボクは、返す言葉に困ってしまった。
脱落者だなんて信じられない。
癒者としても勿論のこと、真織は優れた降伏の力を持つ行者だ。彼が如何に強大な力を内包しているのか…天解の術を使わなくても、容易に見て取れる。
恐らく、武術にも長けているだろう。
この人には武闘家特有の、押し殺した闘気がある。
それを、こんなに綺麗に隠していられるのは、彼が卓越した力を備えている証だ。
「恐縮です、私をそんな風に評して頂いて。ですが弟は、私以上の潜在能力を持っております。明日、お会い頂ければ判りますよ。あれに比べたら、私は駄目ですね。当主には向きません。現に、広間に集まった霊人達の姿が、私には全く視えませんでした。」
「え…。」
ボクは、何も言えなくなってしまった。
成程…。一座と言っても、一概に同じ考えを持っている訳では無いらしい。各々、時流に併せて『決まり事』を緩めているのだ。
「えぇ。六星各々に御家事情は違います。向坂家は、こんな風に大々的な審議会は行いません。候補者を絞り込み、優秀な者だけを当主として育てるという方法を取っています。私は、その脱落者なのです。」
真織がそんな風に自嘲するので、ボクは、返す言葉に困ってしまった。
脱落者だなんて信じられない。
癒者としても勿論のこと、真織は優れた降伏の力を持つ行者だ。彼が如何に強大な力を内包しているのか…天解の術を使わなくても、容易に見て取れる。
恐らく、武術にも長けているだろう。
この人には武闘家特有の、押し殺した闘気がある。
それを、こんなに綺麗に隠していられるのは、彼が卓越した力を備えている証だ。
「恐縮です、私をそんな風に評して頂いて。ですが弟は、私以上の潜在能力を持っております。明日、お会い頂ければ判りますよ。あれに比べたら、私は駄目ですね。当主には向きません。現に、広間に集まった霊人達の姿が、私には全く視えませんでした。」
「え…。」
ボクは、何も言えなくなってしまった。