「大体、アンタ!金目になった途端、態度でかいのよ。あんな大口叩いちゃってさ。本当に大丈夫なの!?」
苺にねちねちと嫌味を言われて、ボクは徐々に自信を失う。すると、見兼ねた祐介が、然り気無く間に入って言った。
「あまり苛めないであげて、苺。薙は未だ興奮しているんだよ。金目の勢いがあったとは云え、凄い迫力だったからね。」
「は…迫力!?」
「おや、覚えていないのかい?当主になると宣言した時のキミは凄味があって、なかなか良かったよ。」
覚えていない…いや。内容は覚えているが、一体どういう心理状態で、そんな大胆宣言をしてしまったのか…自分でも良く解らない。
跡を継ぐと、決意していた事は確かだ。
でも。いざあの場に立ってみると、予想外にテンパってしまった。
喧嘩腰というか、口が滑ったというか…。
単に勢いだけで乗り切った様な気がしてならない。
本当は、もっとこう…厳かな雰囲気で、気持ちを伝えたかったのに──現実は、巧くいかないものだ。
密かに自己嫌悪を噛み締めていると…
「言っちゃったもんは仕方無いさ。」
一慶が、ボクの頭をポンと叩いて言った。
苺にねちねちと嫌味を言われて、ボクは徐々に自信を失う。すると、見兼ねた祐介が、然り気無く間に入って言った。
「あまり苛めないであげて、苺。薙は未だ興奮しているんだよ。金目の勢いがあったとは云え、凄い迫力だったからね。」
「は…迫力!?」
「おや、覚えていないのかい?当主になると宣言した時のキミは凄味があって、なかなか良かったよ。」
覚えていない…いや。内容は覚えているが、一体どういう心理状態で、そんな大胆宣言をしてしまったのか…自分でも良く解らない。
跡を継ぐと、決意していた事は確かだ。
でも。いざあの場に立ってみると、予想外にテンパってしまった。
喧嘩腰というか、口が滑ったというか…。
単に勢いだけで乗り切った様な気がしてならない。
本当は、もっとこう…厳かな雰囲気で、気持ちを伝えたかったのに──現実は、巧くいかないものだ。
密かに自己嫌悪を噛み締めていると…
「言っちゃったもんは仕方無いさ。」
一慶が、ボクの頭をポンと叩いて言った。