ボクの答えは、もう決まっている。
だから此処にこうして居るのだ。
…でなけりゃ、とっくに逃げ出している。

 ボクは、鷹取さんを見上げて言った。

「その前に、お願い事があるんだけど。」
「はい。お気の済む様に…。」

「長い間一座を支えてくれた歴代の六星達にも、ボクの気持ちを聞いて欲しい…そして安心させてあげたいんだ。だから、彼等を審議に参加させて欲しい。」

「…彼等とは?」

 怪訝に眉を寄り合わせる鷹取さんに、ボクは答えた。

「六星一座のご先祖さま達だよ。」
「ご先祖が此処に居られるのですか?」
「うん。とても沢山ね。」
「…なん…と!」

 室内は、俄かにザワついた。

「お前、見えるか?」
「いや…気配すら…」

 総代達が、当主達が驚愕の声を上げている。やはり大人達には視えていないのだ。

「どうして…何故、霊視出来ないんだ!? 我々は、現役の六星行者なのだぞ?!」

《水の星》の当主が愕然と呟く。

──と、そこへ。場違いな大声を上げて、少年と少女が広間に飛込んで来た。

「ねぇ。まだ終わらないの?もう飽き飽きだよ、早く帰り─…あれ?何これ、霊人が沢山集まっている!?」

「本当だ!みんなで何をしているの?」