翌朝──
ボクは外来病棟で診察を受けた。
本当はこんな所、すぐにでも出て行きたかったのだが…不覚にも、昨日はあのまま布団を被って爆睡してしまったのである。
自覚は無かったが、医師の言う通り、ボクはそうとう参っていたみたいだ。感じの悪い人だが、腕は確かなのだろう。
二人きりの診察室──
気まずい空気の中、チラと目線を上げてみる。けれど、彼の感情は読み取れない。昨日あれだけ大暴れしたのに、ボクの顔を見ても全くの無反応だ。
鉄面皮…いや。
世の中の全てに対して、特に関心を持っていないのかも知れない。冷たく突き放された訳では無いのに、目に見えない高い壁を感じる。
何やら、とても居心地が悪かった。
居住まいを糺そうと、ほんの少し身動ぎした刹那。ふと、彼の左胸のネームプレートに目が止まる。
『第一内科・坂井祐介』と書いてあった。
サカイ・ユウスケ…か。
なんだ。よくある名前じゃないか。
ボクは外来病棟で診察を受けた。
本当はこんな所、すぐにでも出て行きたかったのだが…不覚にも、昨日はあのまま布団を被って爆睡してしまったのである。
自覚は無かったが、医師の言う通り、ボクはそうとう参っていたみたいだ。感じの悪い人だが、腕は確かなのだろう。
二人きりの診察室──
気まずい空気の中、チラと目線を上げてみる。けれど、彼の感情は読み取れない。昨日あれだけ大暴れしたのに、ボクの顔を見ても全くの無反応だ。
鉄面皮…いや。
世の中の全てに対して、特に関心を持っていないのかも知れない。冷たく突き放された訳では無いのに、目に見えない高い壁を感じる。
何やら、とても居心地が悪かった。
居住まいを糺そうと、ほんの少し身動ぎした刹那。ふと、彼の左胸のネームプレートに目が止まる。
『第一内科・坂井祐介』と書いてあった。
サカイ・ユウスケ…か。
なんだ。よくある名前じゃないか。