「ねぇ。今、一座に招令を出せるのは誰なの?やっぱり、おっちゃん??」

「ううん。孝ちゃんには無理よ。首座代理が招令を掛けるには、《首座目付け役》の許可が──」

 ───お目付け役…??

「あ!」
「あ!」
「あ!」

ボクと遥と苺は一斉に声を挙げて、顔を見合わせた。

「まさか鍵爺が!?」
「絶対そうよ!でも何故そんな事を…」

「もしかして…ボクが神子である事を、一座の前で証明するつもりなのかな?」

 何気無く呟いた言葉が、一瞬で確信に変わる。

「…有り得るわね。」

苺が、したり顔で頷いた。

「あの爺さん、どうでも他家に首座を譲りたくないみたいだしね。…有り得るわよ、充分に。」

「あぁ~!やりそう!!あの爺ならやりそうだよ、そういう事!」

わしわしと頭を掻き毟って、喚く遥。

 ──多分そうなのだろう。
非公開の筈の《審議会》に、他家の当主を招く理由など、他には考えられない…。

ボクが《神子》である何等かの証拠を他家の当主達にも見せ付け、一気に納得させるつもりなのだ。そう仮定すれば、辻褄が合う。

 鍵爺は…どうしてそんなに、ボクを首座にしたがるんだろう?

あの人が、そうまでしてボクを《神子》だと信じる理由は、何なのだろうか?

出来る事なら、ボクは今日、鍵爺の本心が知りたい──。