「長男の真織(マオリ)と北天も来ているわね。車泊(クルマドマリ)には、風の当主・神崎右京と一緒に、例の双子がいる。」

「…どうして六星が揃ってんだよ…?」

 遥が茫然と呟いた──その時。
背後で、タン!と景気好く襖が開き、火邑烈火(ホムラ レッカ)が飛込んで来た。

「ぅおーい!薙いるか──っ!?」
「烈火!?」

 ボクが声を挙げると、それを見た苺が、忽ち柳眉を逆立てる。

「何しにきたのよ、アンタ!?」
「煩せぇ、蛇苺!おめぇに用はねぇ!!」
「こっちだってアンタに用は無いわよ!」

「あぁ、はいはい。お互い気が合わなくて何よりだな!キャンキャン吠えんな。」

 がなり立てる苺を適当にあしらうと…烈火は、スタスタと此方にやって来た。ボクの顔を見るなり、大きく目を見開いて立ち尽くす。

 …どうしたのだろう?

首を傾げて様子を窺っていると、烈火は一歩二歩と近付いて来て、いきなりボクを抱き締めた。

「綺麗だぜっ、薙!このまま俺んとこに嫁に来いっ!」

ボカボカッ!!

 鈍い打撃音が、二発同時に轟いた。
後頭部に、苺と遥の正拳突きが決まり、烈火は、そのままバタリと倒れて昇天した。