男を思い切り睨(ネ)め付けながら、ボクは苛烈に言い放つ。

「それで解ったよ。あんた達は、これを盗む為に、ボクを呼び出したんだろう!? 道理で、タイミング良く助けに現れた筈だ…。一体、何処でこれの存在を知った!?」

 怒り心頭に達したボクは、傍らの女の子にも矛先を向けた。

「君も嘘つきだ!魂を読むだの、心の声が聞こえるだの…全部インチキなんだろう!? この保険証を見れば、ボクの名前が書いてあるじゃないか!?」

「違うわ、それは本当よっ!!」

「信じない!何が『読心』だ!? そんな幼稚な手に騙される程、ボクはバカじゃない!!」

 一際声を荒げた──その時だった。