──困った事になってしまった。
ボクと烈火が拳を交えた、その日の内に、複数の護法達が部屋に詰め掛けて来たのだ。
「首座さま!どうか私に、明王拳を御伝授下さい!!」
「私にも是非!」
「どうか私にも!!」
皆口々にそう言って、額を床に擦り付けてくる。でも…そんな事を頼まれても困る。
ボクは首座でも師範でもないし。
この先、自身が何処へ向かうべきなのか、そもそも決めあぐねている状態なのだ。他人を指導する立場じゃない。
「えぇ~?? どうして~!? 教えてあげたら良いじゃなぁい!」
気楽な調子で、苺は云うけれど…。
生憎そういう気分では無い。今は、自分の事だけで手一杯だ。
もしも、自分が当主になったら──。
その時は、何なりと教えてあげられるのだけれど。
ボクと烈火が拳を交えた、その日の内に、複数の護法達が部屋に詰め掛けて来たのだ。
「首座さま!どうか私に、明王拳を御伝授下さい!!」
「私にも是非!」
「どうか私にも!!」
皆口々にそう言って、額を床に擦り付けてくる。でも…そんな事を頼まれても困る。
ボクは首座でも師範でもないし。
この先、自身が何処へ向かうべきなのか、そもそも決めあぐねている状態なのだ。他人を指導する立場じゃない。
「えぇ~?? どうして~!? 教えてあげたら良いじゃなぁい!」
気楽な調子で、苺は云うけれど…。
生憎そういう気分では無い。今は、自分の事だけで手一杯だ。
もしも、自分が当主になったら──。
その時は、何なりと教えてあげられるのだけれど。