「だから…ボクまだ当主になるかどうか決めていないんだよ。嫡子審議も受けていないし…現時点では、まだ何も確定していないんだ。」
「だって…お前、伝説の《神子》なんだろ?みんなもう知ってんぞ?? めちゃめちゃ期待してんだぞ!?」
「そう言われても──」
困った…ボクの存在は当面、シークレットにされている筈だ。なのにもう、一座の噂になっているのか。
『鍵島のお爺さん』が広めているのかな?
一慶を振り返ると、彼も『解らない』と云う様にヒョイと肩を竦めた。
首座になる為に生まれて来るという《神子》の存在が、既に一座全体に知れ渡っているとしたら…ボクはもう、簡単には逃げられない。
重い沈黙が降りて来た、丁度その時。
タイミング良く、氷見がお茶を持って入って来た。
温かい緑茶が、銘々に配られる。
そうして、『ごゆっくり』と丁寧に手を着き、氷見が退室するまでの間…ボクらは、気まずい沈黙の中にいた。
「だって…お前、伝説の《神子》なんだろ?みんなもう知ってんぞ?? めちゃめちゃ期待してんだぞ!?」
「そう言われても──」
困った…ボクの存在は当面、シークレットにされている筈だ。なのにもう、一座の噂になっているのか。
『鍵島のお爺さん』が広めているのかな?
一慶を振り返ると、彼も『解らない』と云う様にヒョイと肩を竦めた。
首座になる為に生まれて来るという《神子》の存在が、既に一座全体に知れ渡っているとしたら…ボクはもう、簡単には逃げられない。
重い沈黙が降りて来た、丁度その時。
タイミング良く、氷見がお茶を持って入って来た。
温かい緑茶が、銘々に配られる。
そうして、『ごゆっくり』と丁寧に手を着き、氷見が退室するまでの間…ボクらは、気まずい沈黙の中にいた。