…氷見の介助で、漸く広間に辿り着いた烈火は、ドサリと畳に身を投げ出すや、大儀そうに『ふう…』とひとつ溜め息を洩らした。
やや遅れて、ボクと一慶が着座する。
一方。氷見は、お茶を煎れる為に、一礼して静かに部屋を後にした。
「…で?何しに来たんだよ、お前は??」
一息吐くなり、一慶が気易い口調で訊ねる。烈火は黙ってそれを睨み返した。
短い沈黙が訪れる──そして。
ボクを冷たく一蔑するや、烈火は、不貞腐れた顔で重い口を開いた。
「…《金の星》に、新しい当主が来たって訊いたから、どれ程のもんか覗きに来たんだよ。」
「それで返り討ちか?格好悪っ!」
「うっせぇ!つか、何者だコイツ!? こんな強いなんて訊いてねぇぞ!」
「確かに。」
二人の視線が、ボクに集中する。
「まさか、あの局面で《不動明王拳》とはな。久し振りに見たぜ。」
一慶の呟きに、ボクは思わず小首を傾げた。
「使っちゃマズかった?」
「いや。マズいかどうかじゃない。あれは、並の使い手じゃ到底修得出来ないと云われる秘技だからな。だから、護法達も覗きに来た。それをまぁ、いとも簡単に…」
呆れ顔で一慶は言う。
その言葉に被せる様に、烈火が訊ねた。
やや遅れて、ボクと一慶が着座する。
一方。氷見は、お茶を煎れる為に、一礼して静かに部屋を後にした。
「…で?何しに来たんだよ、お前は??」
一息吐くなり、一慶が気易い口調で訊ねる。烈火は黙ってそれを睨み返した。
短い沈黙が訪れる──そして。
ボクを冷たく一蔑するや、烈火は、不貞腐れた顔で重い口を開いた。
「…《金の星》に、新しい当主が来たって訊いたから、どれ程のもんか覗きに来たんだよ。」
「それで返り討ちか?格好悪っ!」
「うっせぇ!つか、何者だコイツ!? こんな強いなんて訊いてねぇぞ!」
「確かに。」
二人の視線が、ボクに集中する。
「まさか、あの局面で《不動明王拳》とはな。久し振りに見たぜ。」
一慶の呟きに、ボクは思わず小首を傾げた。
「使っちゃマズかった?」
「いや。マズいかどうかじゃない。あれは、並の使い手じゃ到底修得出来ないと云われる秘技だからな。だから、護法達も覗きに来た。それをまぁ、いとも簡単に…」
呆れ顔で一慶は言う。
その言葉に被せる様に、烈火が訊ねた。