それから、祐介と遅くまで沢山話をした。
苺の話も振ってみたけれど、上手く矛先を変えられてしまった。やはり、性別の件はトップシークレットなのか。何故、皆で隠すのだろう?

 ──明け方近く。
ボクは、烈しい雷鳴で目が覚めた。
いつの間にか、自室の布団で寝ている。

足袋も着物も脱がされていて、代わりに、白い寝間着を着せられていた。翌日の着替えは、枕元に綺麗に畳まれて置いてある。

 氷見が連れて来てくれたのだろうか?
祐介は、あれからどうしたのだろう?

泡沫の様に、次々と疑問符が浮かぶ。
だが、叩き付ける様な雨音を聞く内に、また瞼が重くなっていった。

 眠い。何だか全て、どうでも良い。
只もう眠くて眠くて…

ボクはまた、布団に潜り込んだ。

 眠り込んでしまったボクを、祐介が抱きかかえて部屋に運んでくれたという事実を知ったのは、随分後になってからの事だった…。