「新生児が、そうして良く百面相をするんだよ。脳年齢が近いのかな?よくもまぁ、それだけコロコロ表情が変えられるねぇ。感心する。」

 新生児だと!? 失礼な!

反論しようかとも思ったが、寸でのところで踏み留まった。

──やめて措こう。
ムキになる程、からかわれるのがオチだ。

ボクは、怒りを堪えて一気に酒を流し込んだ。
すると空かさず、酒を継ぎ足される。

「思った通りだ。強いね、キミも。」
「…そうでもないよ。」
「その口振りも父親譲りだ。」
「そうなの?」

「あぁ。伸之さんは酒豪でね。幾ら呑んでもケロリとしているんだ。よく朝まで付き合わされたな。」

 …そうなのか、解る気がする。

「東の対屋には行った?」

 不意に話題を変えられて、ボクは、ふるふると首を横に振った。

「面白いよ、伸之さんの部屋。」
「どんな風に?」
「それは行ってみてのお楽しみ。」

「つまり、当主になれば解るってこと?」
「ご明察。やっぱりキミは頭が良い。」

 ──また。
すぐそうやって、からかう。