「あぁ…成程ね。」
何やら独りごちると、祐介は壁に手を当てがった。そのまま躊躇う事無く、スラリと横に滑らせる。
──すると、途切れた筈の廊下が、忽然と現れた。その先には、ボクの部屋もちゃんとある。
「あ、あれ?」
我ながら、すっ惚けた声が洩れた。
ホッとすると同時に、鼻白む。壁だと思っていたものは、ただの仕切り戸だったのだ。
「あるよ。キミの部屋。」
「うん。ある、ね…」
茫然と呟いた途端、祐介は堪え切れない様子で、『ぷっ』と吹き出した。丸めた拳で口元を覆い、ボクから顔を背ける様にして笑っている。
必死に声を潜めてはいるけれど、実際、失礼なくらいの大爆笑だ。肩がフルフルと震えている。
「そんなに笑わなくても良いじゃない!」
ボクが怒ると、祐介は涙ぐみながら謝った。
「ごめんね。キミがあんまり可愛くて…」
そう言って、また爆笑する。
──屈辱だ。
よりによって、こんな場面を祐介に見られるなんて!!
何やら独りごちると、祐介は壁に手を当てがった。そのまま躊躇う事無く、スラリと横に滑らせる。
──すると、途切れた筈の廊下が、忽然と現れた。その先には、ボクの部屋もちゃんとある。
「あ、あれ?」
我ながら、すっ惚けた声が洩れた。
ホッとすると同時に、鼻白む。壁だと思っていたものは、ただの仕切り戸だったのだ。
「あるよ。キミの部屋。」
「うん。ある、ね…」
茫然と呟いた途端、祐介は堪え切れない様子で、『ぷっ』と吹き出した。丸めた拳で口元を覆い、ボクから顔を背ける様にして笑っている。
必死に声を潜めてはいるけれど、実際、失礼なくらいの大爆笑だ。肩がフルフルと震えている。
「そんなに笑わなくても良いじゃない!」
ボクが怒ると、祐介は涙ぐみながら謝った。
「ごめんね。キミがあんまり可愛くて…」
そう言って、また爆笑する。
──屈辱だ。
よりによって、こんな場面を祐介に見られるなんて!!