きっとあの回廊の何処かに、式とやらが潜んでいて、ボクを絶えず見張っていたのだ。
怖い…
怖いよ、鍵島のお爺さん。
「奴の酔狂な趣味のお陰で、今じゃ屋敷中どこもかしこも式神だらけだ。お前の行動は常に監視されていると思え。混み入った話をするなら、厳重に結界を張った部屋でなきゃマズい。」
至極淡々と、一慶は云うけれど──。
「…そんなに沢山いるの?」
「あちこちに居るよ。擬態しているから、気付かない事もある。言動には充分気を付けろ。何処から見られているか解らないからな。」
「そんな…気を付けろって言われても…」
「困るだろう?だから厄介なんだよ。」
「…ぅ…。」
──ゾッとした。
ボクの行動の全てが監視されている。
式神という、未知の存在がボクを見ている。
ひどく突拍子も無い話だ──だけど。
その『突拍子も無い話』に、ボクは心底怯えていた。
これが夢なら、笑って忘れられるのに…
怖い…
怖いよ、鍵島のお爺さん。
「奴の酔狂な趣味のお陰で、今じゃ屋敷中どこもかしこも式神だらけだ。お前の行動は常に監視されていると思え。混み入った話をするなら、厳重に結界を張った部屋でなきゃマズい。」
至極淡々と、一慶は云うけれど──。
「…そんなに沢山いるの?」
「あちこちに居るよ。擬態しているから、気付かない事もある。言動には充分気を付けろ。何処から見られているか解らないからな。」
「そんな…気を付けろって言われても…」
「困るだろう?だから厄介なんだよ。」
「…ぅ…。」
──ゾッとした。
ボクの行動の全てが監視されている。
式神という、未知の存在がボクを見ている。
ひどく突拍子も無い話だ──だけど。
その『突拍子も無い話』に、ボクは心底怯えていた。
これが夢なら、笑って忘れられるのに…