「何、手術って?」
「あ……私からは言えません」
「え?」
「ごめんなさい。訊いておいて気持ち悪いですね。知らないようなので、これ以上は言えないです」
「うん、すごい気持ち悪い。夜も眠れなくなるんだけど。ゆづちゃん、どこか悪いの?」

それには首を横に振る。

「手術はすごく昔の話だから、気にしないでください。ただ……あの……ひとつ、お願いがあるんです」
彼女の話の内容はいまいち理解できないが、真剣さだけは伝わってくる。

「……うん」
「お姉ちゃんとこれ以上仲良くしないで下さい。
お姉ちゃんがあなたと仲良くしてるのはたぶん訳があると思うんです。
そんな理由で仲良くなるのは、きっと辛いと思うから。
だから、仲良くしないでください」

真剣な面持ちで美織が言うが、ハローくんは
「嫌だ」
軽く返した。

「え?」
「人に決められるの好きじゃないから、断るよ。ごめんね」
「……失礼ですけど、本当のお姉ちゃんだったら、あなたみたいな感じの人と友達になったりしません。
私に不良と関わるなって言うくらいですから。
それは訳があるからで……きっと無理して友達してる」
「本当のお姉ちゃんって何?」
「……」
「なんかわかんないけど、妹に偽物と思われたら辛いんじゃない」
「そういうことじゃないです」

キッと美織が睨むがハローくんは動じる様子もなく見据える。