「そういえば、うちの学校、来週文化祭あるんだよね」
「へえ。文化祭?」
「そっちは文化祭いつなの? もう終わった?」
「わかんない」
ハローくんは素っ気なく答える。

「わかんないの?」

どうしてと訊きたいけど、湖夏のいうように虐められているのかもしれない。そう思い浮かぶと簡単には訊いてはいけないことのように感じる。

「学校そんなに行かないし、あんまり行事とか興味ないし」
「学校楽しくないの?」

遠まわしに尋ねる。
それには答えず、顔を上げて「そういえば文化祭自体、今まで行ったことないかも」

「嘘、本当に?」
「そんなに驚くことなの?」

キョトンとした表情には、文化祭に参加したくても行けないといった暗さは感じられなかった。むしろ行かないけど、それがそんなに大事なこととでも言うようだ。

「うん。私、文化祭とか学校行事楽しみにしてるほうだから。参加しない人もいるんだと思って、びっくりしちゃって」