ハローくんからのプレゼントも保奈美さんからの感謝の気持ちも自分は受け取れない。

「ありがとうなんて言わないでください。私、彼に酷いことしてました。ごめんなさい」

須長くんのママのこともそうだし、ハローくんに対しても、結局自分は誤解したまま見ていた。
本当のハローくんのことを教えると言った自分は、彼のことを色のついた眼鏡で見ていたようなものだった。
彼の喧嘩をやめさせたいとか、傷つかないでほしいとか、自分を嫌いにならないでほしいとか、本当はどうでも良かったんだ。
こんな優しい愛にただただ気づいて感謝できていれば、きっと――。

「どうしたの?」
「ごめんなさい。私、おかしいこと言ってたんです。
ハローくんが、自分のこと優しくないって言うから、私は優しいところもあるって受け入れてほしかったんです。
だから、優しいハローくんが本当だよって伝えて……それなのに、喧嘩をやめさせようとしたり、私が悪いと感じていることに目を向けて正そうとしてました……こんなに優しい思いを持ってたのに、無視して。
自分の思い通りに動かそうとしてた。
全然、彼の優しさを感じてなかった。気づいてなかった。頭だけで考えてた」