「えっと……直接渡されてないんです。ナースステーションに預けられてたみたいなんですけど、預けられた経緯もわからない感じで看護師さんに手渡されて」
「そうなの? なんだ? 急に手作りとか照れ臭くなって預けたのか? いや、そっちの方が恥ずかしいよね。変なの」
と腕組をする。
「そうなんだ。ハローくんが作ったリースだったんだ。なんでわざわざ……そんなこと」

彼の優しい気持ちが胸に響いてくるけど、どうしてという気持ちも湧いて素直に受け入れられなかった。ならどうして急に連絡もとれなくなるのか。

「そんなの柚月ちゃんの笑顔が見たいからに決まってるじゃん」
「え……」
「ほら、電話くれたじゃない。ワークショップに参加できないって。
すごく楽しみにしてたこと覚えてたから残念だろうなって思って、そのこと春に言ったらさ、作り方教えろって言うんだよ。
びっくりしちゃった。
でも一緒に何か作業するっていうのが、久しぶりにできて、なんかすごく嬉しかったよ。
ありがとう。素敵な機会を作ってくれて。
あ、柚月ちゃんが身体を悪くしたことじゃなくて、春がそういう風に人に何かをしてあげたいって思えるような関係でいてくれて、ありがとうってことね」
「……私の為に」
「そうだよ。柚月ちゃんの為だよ」

そう言われて涙が込み上げてくる。