雪村が賛成したことに対する不安だ。

俺にすら嫉妬する雪村が
二ヶ月ばかりの知人に近い友人と
海にいくこと賛成した理由はなんだ?

「あぁ、俺達も一緒に行くけどな(ニヤリ)」

“俺達”って……

俺と亮も巻き込まれるのな。

なんとなくはわかってたけど。

「え、だけど……」

慎が戸惑うのも無理ない。

俺は同い年だから友人でいいだろうけど
亮と雪村はどう見ても年上だ。

さて、慎の新しい友人は
どんな反応を示すのか
楽しみだな(ニヤリ)

¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢

「笹山」

待ち合わせ場所に行くと
彼はすでに来ていた。

「三雲君、待った?」

「いや、そんなに待ってねぇよ」

そう言う奴に限って
かなり待っていたりする。

「そう? ならいいんだけど」

慎もわかっているのだろう。

「え~と、後ろの三人は誰?」

まぁ、そうなるよな。

「向かって左から、親友の春日井貴也
貴也の“恋人”の的木亮さん
そして、“僕の恋人”の雪村静さんだよ」

とうとう、慎が暴露した(笑)

俺から紹介したのは同い年だからだろう。

慎の新しい友人は言葉が出ないみたいだ。

まぁ、ノンケの奴に
いきなり同性と付き合ってるなんて
言えば、こうなることは当然だ。

亮が
“困惑してしまうんじゃないか?”と
言っていたのを思い出す(苦笑)

彼の反応は普通だ。

「初めまして、笹山と
仲良くさせてもらってます
三雲大知です」

とりあえず復活した彼も
自己紹介した。

「成る程な。

笹山が合コンに来ないのも
家に行かせてくれないのも
そういうことだったわけか」

同性と付き合ってるとは
そうそう言えるもじゃないからな……

「ごめんね」

謝った慎の頭をグシャグシャにかき混ぜた。

「謝るようなことじゃないだろう。

そりゃ勿論、吃驚はしたけど
四人を軽蔑しないし、
笑い者にしたりもしない
専門で言いふらしたり
しないから心配すんな‼」

いい友人ができたんだな。

「でも、恋人はいるって言っとかねぇと
あいつら、また合コンに誘っててくるから
そこだけは夏休み明けたら言っとけよ」

この後、海で遊んだ。