冬休みも明け、三学期は
何事もなく無事に終わった。

そして、季節は冬から春に。

¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢

石浜先輩達が卒業し
俺達が三年になった。

来年の春には
四人であのマンションに
暮らせることを願っている。

果たして、おじさんが
家を出ることを許してくれるか……

短い春休みの間も
俺はマンションに泊まっていた。

親父と顔を合わせたくなかったし
向こうも俺顔なんか見たくないだろう。

母さんには春休み中に話したら
亮に会いたいと言われたな。

だから、卒業式の後で
会わせると約束した。

後一年。

俺達の関係が
バレないようにしなくちゃな。

¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢

月日が経つのは早いもので
高校最後の夏休みが来た。

去年と変わらず
のんびりと過ごした。

俺は大学に行けるような頭はないから
専業主夫になることにした。

慎は近場の専門学校に行くことに。

夏休みが明けると
目まぐるしい月日は流れ
秋が過ぎて冬になり
慎も専門学校に受かり
残るは卒業を待つだけとなった。

そして、三月某日
今日は卒業式だ。

保護者席に親父の姿はない。

無事に式も謝恩会も終わった。

お開きになり
俺は亮の手を引いて
母さんのところへと向かった。

「母さん」

ホテルの入り口にいた母さんは
俺が声をかけるまで
気付かなかったらしい。

「貴也、吃驚したじゃない」

マンションにいることの多い俺は
実は母さんと話すのは
半月振りだった。

「あら、的木先生が恋人だったのね♬*゜」

根本的にズレている気がする(苦笑)

「お久しぶりです」

亮が母さんにお辞儀をした。

「よかったわね。

あんた、一年生の時から
的木先生のこと好きだったでしょ?」

何でバレてんだ!?

母さん恐るべし。

「そうだったの?」

今更ながら本人にもバレてるし……

「そうだよ。
一目惚れだったんだ//////」

付き合って約一年で
こんなことをカミングアウト
することになるとは……

しかも、卒業式に(苦笑)

「貴也のこと
よろしくお願いしますね」

「はい」

今日から、俺の家は
亮がいるマンションだ。

「あんたも父さんがいない時は
帰って来ていいんだからね」

母さん……

「ありがとう」

駅まで三人で歩いた。

「じゃぁね、私は帰るわ」

謝恩会をしたホテルから
家まではそんなに距離はない。

「わかった、また連絡する」

母さんに手を振って
俺達はパーキングに向かった。

¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢

マンションに着き、
制服から着替えた。

明日から着なくなっても
記念写真は沢山撮ったから大丈夫だ。

「卒業おめでとう」

抱き締められた後
額にキスされた//////

「ありがとう」

¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢

慎が一緒に住めるかは
雪村からの連絡を待つしかない。

果たして上手くいくのか……(苦笑)

夕方になっても
連絡がこないことに焦れた
俺達は慎の家に行くことにした。

恐らく拗れているであろう
話し合いに参戦しに。

「やっぱり、おじさんが
そうそう慎を家から出すわけないか」

慎の父親は所謂“親バカ”だ。

「去年のお泊まりや旅行も
最初はかなり反対してたもんね」

あれはあくまでも
数日だったからな……

かろうじて
許容範囲内だったんだろう。

しかし、今回は

話の規模が違う。

「まぁな。
雪村大丈夫か?」

「大丈夫だよ。
静は笹山君を愛してるからね」

そりゃ、見てりゃわかる。

「俺も貴也のこと愛してるからね」

貴重な二人っきりの時間。

「俺も愛してる」