「これで、ダブルデートできるね♬」

亮も嬉しいみたいだ。

「雪村が慎を好きだったなんて
全く気付かなかったな……」

「だから、貴也は鈍感なんだよ(笑)」

恋人なのに酷いなぁ(苦笑)

「まぁ、静は隠すのが上手いから
よっぽど近くで見てないと
わからないかもね」

フォローのつもりなんだろか。

「亮のバカ」

ボソッと小さな声で呟いたが
隣にいた慎には聴こえたらしい。

「貴也?」

「何でもないから気にするな」

俺の言葉に納得したらしい。

「わかった」

流石、親友だよな。

「学校では付き合ってること
隠さないといけないんだよね……」

バレた時に当然、
俺達は色々言われるだろうけど
責められるのは教師である亮と雪村だ。

「そうだな」

だから、俺と亮も
バレないようにしている。

「ねぇ二人とも、
バレた時に考えようよ」

暢気だなぁ……

「それに、万が一バレたら
俺達が守るからさ❢❢」

亮はわかってねぇなぁ……

「そうだろう? 静」

「当たり前だ」

雪村もか……

“恋人”としては物凄く嬉しいが
“生徒”としては複雑だったりする。

慎も同じだと思う。

万が一バレて、亮達が
辞めるなんてとこになったら
俺達は立ち直れなくなる。

「あのな、亮・雪村」

今後の俺達のためにも
此所で言っといた方がいいよな。

「ん?」

よし❢❢

「その答えはさ“恋人”としては
嬉しいんだけど“生徒”としては
複雑なんだよ」

下手したら二人の教師人生を
奪いかねないからだ……

「慎もそうだろう?」

「うん」

だと思ったぜ。

「俺達がクビになったらって思ってる?」

他にないだろう。

「それ以外に何があんだよ❢❢」

「心配してくれてありがとうな」

俺達の気も知らないで……全く……

「だけど、俺も静も覚悟はしてるんだ」

それはそれで嬉しいがやっぱり……

「僕達のせいで先生達が
クビになるのは嫌なんです」

慎は本当に俺の心を
読み取るのが上手いな。

「そうでしょう? 貴也」

途中で黙ってしまった俺に
慎が確認の意を込めて訊いた。

「あぁ……」

好きだからこそ
二人の教師人生を奪いたくない。

「お前ら優しいな」

学校では見せないような
表情(かお)で雪村が言った。

「亮達の方が優しいと思うけどな」

いくら恋人だといっても
教師と生徒なのは俺達が
卒業しない限りかわらない。

そんな俺達のためにクビを
覚悟してるなんて普通は言えない。

こんな優しい二人を
クビにさせないためにも
絶対に学校にバレないように
気を付けなければいけない。

「俺達もバレなように気を付けるから
後一年ちょっと頑張ろうな」

とりあえず卒業すれば
教師と生徒じゃなくなる。

「学校で会えなくなるのは
少し淋しいけどな」

学校だからこそ会える場合もある。

「まぁねぇ……
あっ❢❢ 二人が卒業したら
四人で此所に住もうか❢❢」

また、突拍子もないことを(苦笑)

「俺はいいぞ」

は? 雪村まで何言い出すんだよ……

「家賃は折半でいいだろう」

待て待て、おもいっきり
俺達は蚊帳の外なんだが……

「静、出してくれるんだ?」

話が進んでってるけど……

「四人で住むならな」

俺達の方を向いて雪村が言った。

親父を説得しなきゃだよな(苦笑)

「問題は春日井と笹山だよな」

そうだろな。

未成年だからな。

「貴也の親御さんには俺が頼みに行くさ」

亮の一言にフリーズしかけた。

「的木先生、カッコイイ❢❢」

慎が目を輝かせて言いながら雪村を見た。

「わかった笹山の
親御さんには俺が頼みに行く」

その視線が何を言いたいのか
読み取ったみたいだ。

「ありがとうございます」

亮が満足そうな表情(かお)をした。

こりゃ、誘導尋問だな(苦笑)

それに気付かない雪村はアホだな。

知らない方がいいこともあるだろうから
此所は黙っておくことにするか。

卒業後云々の話が終わり宿題の話へ。