三人分の飲み物とお皿に入れたケーキを持って部屋に戻ると、出しておいた折り畳み式のローテーブルの上にお菓子が並べられていた。


「みんなで食べようと思って買ってきたんだ。ほっちゃんがどんどんカゴに入れるから、三人分以上あるけど」


「だって、ちーちゃんの好きなお菓子がわかんないから、色々買った方がいいと思ったんだもん」


ローテーブルに乗り切らないお菓子を見て苦笑した中野さんに、堀田さんは唇を小さく尖らせた。


「ありがとう。……あのね、実は私もふたりの好みがわからなくて、全然決められなかったんだ」


「どれがいい?」と訊いてケーキを並べると、ふたりがパッと笑顔になった。


「私、モンブラン好きなんだー!」


「チーズケーキもらってもいい? あ、やっぱりちーちゃんが先に決めて」


「ううん、私はどれでもいいから。中野さんが先に選んで」


「じゃあ、チーズケーキもらうね。ありがとう」


こういうやり取りは三年振りくらいで、懐かしいようなくすぐったいような気持ちになりながらマットの上に腰を下ろすと、ツキが私の隣にピタリとくっついて寝そべった。


「食べよー」


三人で声を揃えて「いただきます」と笑い、いちごがたくさん乗ったタルトにフォークを刺した。