取りに来てもらうのにも、松岡くんに会うのは嫌だ。
届けてもし鉢合わせしたらとか考えると身震いがする。

「誰か、取りに来てくれたらいいんだけど……」

――ぐるるるるっ。

人が真剣に悩んでいるというのに、腹の虫がなる。
朝からなにも食べていないし、アフタヌーンティもブッチしたから仕方ないといえばそうだけど。

「なんか、食べるもの……」

冷蔵庫を開けてみる。
そこにはケーキが山ほど詰まっていた。

「なに、これ……」

今日のアフタヌーンティのケーキだったのは察しがつく。
けれど前に、ケーキ三つは苦しいと伝えたのだ。
なのに、この数。

「そんなに仲直りしたかったの……?」

不意に、ぽろりと涙が転がり落ちた。

「なんでこんなことになっちゃったんだろう……」