「でも」

「でもじゃなく」

松岡くんの手から、シャンメリーの瓶を奪う。

もし、……もしも。
次があったなら。

そのときは松岡くんが仕事中だからと、我慢してシャンメリー、なんてことはないようにしたい。

「じゃあ。
メリークリスマス」

「メリークリスマス」

松岡くんがグラスを差し出し、チンと小さくグラスをあわせる。

「凄いごちそう、だね」

「そうか?」

なにも言わなくても松岡くんがサーブしてくれる。
グラタンかと思ったのはラザニアだった。

「美味しい!」