「へー。
ちなみにキスもまだだってことは、男と付き合ったこともないの?」

「残念ながら、男とも女とも付き合ったことはない」

「ふーん」

ん?
思いっきり莫迦にされるかと思ったけど、そうでもない?

前にこれがバレた男は処女なのにあたまの中はエロいことでいっぱいなんだろ、オレが発散させてやるよって押し倒してきた。
おかげで男嫌いになったといっても過言じゃない。

「ちなみにさっき泣いたのって、俺とキスするのが嫌だから?」

「……キスするのが怖かったから」

さんざんいつも書いている癖に、いざ自分が体験となると怖くなった。
ここを超えたらもう、いままでの私には戻れなくなる気がして。

「可愛い!」

「はいっ!?」