どうしてあと一年待てないのだろう。

 少年は中学三年生になったばかりで、卒業したら働きに出かけるつもりだった。いろいろ調べた。定時制か通信で高校に通いながら、住み込みで働けるところを探していた。もっといいところがあればいいが、そうでなければ新聞配達をしようと思っていた。

 あんたが出ていかなくても、おれが出て行ったのに。

 スナックの女が言う通り、三日待った。

 そのあいだ少年は銃を持ち歩いた。

 たしかに父が言う通り、これさえあれば「なあんにもいらない」と思った。学校でバカにされたり殴られたりしても平気だった。

 最後にはこれをぶっ放せばいいと思うと笑みさえ浮かんできた。