こんなに世界が眩しいのは、最愛の彼女が隣にいるからだ。
僕の、僕だけの太陽―。
見上げた空は、青く澄んでいる。
前日に雨が降ったとは思えないほどの、見事な快晴だ。
「なんて良い天気なんだ」
―雲一つない青く澄んだ空を見上げながら、僕は目を細めた。
隣にいる彼女も眩しそうに目を細め、空を見上げている。
目の前には北海道大学と書かれた正門。
北大の敷地に入るのも歩くのも今回が初めてだ。
僕も、彼女もー。
「私、北大の中に入るの、初めてなんです…!楽しみだなあ~!」
彼女がそう呟く。
まさか北大の中を歩けるとはー予想外の展開に心は躍る。
「ねえ、博人さん。私ね、北大に行きたいの」
今から一か月前、彼女が急にそう言い出した。
「えっ、どうしたんだい、急に」
僕は驚いた。彼女はとても大人しく、
あまり自分の考えや想いを強く発することはない。
しかし、この時は違った。
僕の目をじっと見て、強く訴えかけてくる。
「私、北大に行きたいの」
「えっ、いや、ちょっと待ってよ。北大に行きたいってどういうこと?
北大で勉強したいから受験するってこと?」
僕は彼女を見た。
「あっ、違うんです。そうじゃなくて…。
北大の敷地内を歩いてみたいなって。
今の時期だと銀杏並木がすごく綺麗だって、
友達が楽しそうに言うものだから行ってみたくなって…」
―なんだ、そういうことか。
「紛らわしい言い方、しないでくれよ。びっくりしたじゃないか」
「ごめんなさい…」
彼女は消え入りそうな声で言った。
「いいんだよ。早合点した僕が悪い。」
彼女は地面をじっと見つめた。
「行こうか、来月」
「えっ、いいんですか?」
彼女は驚いてぱっと顔を上げた。
「もちろん。いいに決まってるだろ」
「でも…博人さん、お仕事…」
「大丈夫。その心配はない。」
「本当、ですか…?」
彼女は僕の目をじっと見つめた。
「うん、本当。」
「ドタキャン、したりしませんか…? 私、そんなことされたら…」
「しないよ、絶対に」
「でも、でも…。仕事が入ったってー」
彼女は目を伏せた。
彼女の言いたいことは、痛いほどよくわかった。
だけど、僕は彼女にこんな、悲しい顔をさせたくはない。
それに、絶対にドタキャンなんてしない。
彼女と過ごす時間は、何にも代えがたい大切なものだから。
だから、その先の言葉は言わせない。
僕は、彼女を優しく抱き締めた。
「博人、さん…?」
彼女は驚いて僕を見た。
「仕事は入れない。絶対に。」
「そんな、そんなこと…」
「入れないから。僕はね、心愛ちゃん。
心愛ちゃんとの時間が、とても大切なんだ。何よりも、心愛ちゃんが大事。」
僕は、彼女の両手に自分の両手をそっと重ね合わせた。
「博人さん…」
彼女は潤んだ目で僕を見つめた。
「行くからね、来月。いいね?」
「はい!楽しみにしてます…!」
彼女は笑顔になった。
僕が一番見たかった、太陽のような笑顔がそこにはあった。
僕はこの笑顔が、大好きだ。
「良い天気だといいんですけど…」
「良い天気になるよ、きっと」
「えっ?」
彼女は首を傾げた。
「当然だろう。心愛ちゃんとのデートなんだ。晴れないわけがない」
「ふふふ、そうですね」
僕と彼女は、顔を見合わせて笑った。
僕の、僕だけの太陽―。
見上げた空は、青く澄んでいる。
前日に雨が降ったとは思えないほどの、見事な快晴だ。
「なんて良い天気なんだ」
―雲一つない青く澄んだ空を見上げながら、僕は目を細めた。
隣にいる彼女も眩しそうに目を細め、空を見上げている。
目の前には北海道大学と書かれた正門。
北大の敷地に入るのも歩くのも今回が初めてだ。
僕も、彼女もー。
「私、北大の中に入るの、初めてなんです…!楽しみだなあ~!」
彼女がそう呟く。
まさか北大の中を歩けるとはー予想外の展開に心は躍る。
「ねえ、博人さん。私ね、北大に行きたいの」
今から一か月前、彼女が急にそう言い出した。
「えっ、どうしたんだい、急に」
僕は驚いた。彼女はとても大人しく、
あまり自分の考えや想いを強く発することはない。
しかし、この時は違った。
僕の目をじっと見て、強く訴えかけてくる。
「私、北大に行きたいの」
「えっ、いや、ちょっと待ってよ。北大に行きたいってどういうこと?
北大で勉強したいから受験するってこと?」
僕は彼女を見た。
「あっ、違うんです。そうじゃなくて…。
北大の敷地内を歩いてみたいなって。
今の時期だと銀杏並木がすごく綺麗だって、
友達が楽しそうに言うものだから行ってみたくなって…」
―なんだ、そういうことか。
「紛らわしい言い方、しないでくれよ。びっくりしたじゃないか」
「ごめんなさい…」
彼女は消え入りそうな声で言った。
「いいんだよ。早合点した僕が悪い。」
彼女は地面をじっと見つめた。
「行こうか、来月」
「えっ、いいんですか?」
彼女は驚いてぱっと顔を上げた。
「もちろん。いいに決まってるだろ」
「でも…博人さん、お仕事…」
「大丈夫。その心配はない。」
「本当、ですか…?」
彼女は僕の目をじっと見つめた。
「うん、本当。」
「ドタキャン、したりしませんか…? 私、そんなことされたら…」
「しないよ、絶対に」
「でも、でも…。仕事が入ったってー」
彼女は目を伏せた。
彼女の言いたいことは、痛いほどよくわかった。
だけど、僕は彼女にこんな、悲しい顔をさせたくはない。
それに、絶対にドタキャンなんてしない。
彼女と過ごす時間は、何にも代えがたい大切なものだから。
だから、その先の言葉は言わせない。
僕は、彼女を優しく抱き締めた。
「博人、さん…?」
彼女は驚いて僕を見た。
「仕事は入れない。絶対に。」
「そんな、そんなこと…」
「入れないから。僕はね、心愛ちゃん。
心愛ちゃんとの時間が、とても大切なんだ。何よりも、心愛ちゃんが大事。」
僕は、彼女の両手に自分の両手をそっと重ね合わせた。
「博人さん…」
彼女は潤んだ目で僕を見つめた。
「行くからね、来月。いいね?」
「はい!楽しみにしてます…!」
彼女は笑顔になった。
僕が一番見たかった、太陽のような笑顔がそこにはあった。
僕はこの笑顔が、大好きだ。
「良い天気だといいんですけど…」
「良い天気になるよ、きっと」
「えっ?」
彼女は首を傾げた。
「当然だろう。心愛ちゃんとのデートなんだ。晴れないわけがない」
「ふふふ、そうですね」
僕と彼女は、顔を見合わせて笑った。