「気に入ったか?」

「はいっ!」

「へへ、よかった」

「これ、シェルが?」

「おう」

得意気に胸を張るシェルにエリーは笑みを零す。

「ありがとうございます」

「火炎の陣の思い出と、今日のお礼に」

「……今日のお礼は、こちらこそですよ」

そう言って笑うエリー。

「次にお会いできた時に、お礼をさせてください」

「お礼なんかいいんだけどよ。まぁ楽しみにしとくわ」

へへ、と笑うシェル。エリーもまた嬉しそうに笑った。

「じゃあオレは帰るな。明日は見送り行けねぇけど、気を付けて帰れよ」

「はい。ありがとうございます」

「じゃあまたな」

「はい、また」

そう言って立ち去るシェルの姿を見送る。
ガラスで出来た妖精を胸に抱いて、エリーは宿に入った。