ふと視線を感じ、顔を上げるとエリーはシェルと見つめ合う形になった。

近い。

茜色の瞳にエリーの姿が映っている。

「エリー」

「はい」

「お前を連れていきたい所があるんだ」

そう言ってシェルはジュースごとぎゅっとエリーの両手を握る。

エリーは驚いたように目を瞬かせて、首を傾げた。

「はい……?」

「行くぞ」

そう言ってシェルは嬉しそうに歩き出す。

それについていっていると、リヒトがポケットから顔を出し、少しふらつきながらエリーの頭の上に乗り直す。
ポケットの中は狭かったのだろう。