「これ、どのようにして食べたら……」

不安げに聞くエリー。
それに返事をするかのように、ウィリアムがりんご飴に噛り付いた。

「あっ」

思わずエリーが声を出す。

ウィリアムの顔が燃えてしまう。
しかしウィリアムは平気そうにもぐもぐしている。

エリーは自分の持っているりんご飴に視線を移す。
燃えている。綺麗に燃えている。

「大丈夫だって」

シェルの言葉に、エリーは頷く。
すると、リヒトがエリーの持っているりんご飴の傍にふわりとやってくる。
一緒に食べるつもりなのだろう。

そんなリヒトと目を合わせる。
そして、同時にりんご飴に噛り付いた。

――甘い。

温かい甘さが口の中に広がる。
不思議な感覚だ。

飴の部分を食べていくと、中はとろとろの焼きりんご。

「……美味しいです」

エリーが頬を緩めて言う。
その幸せそうな表情に、サラが珍しく満足そうに微笑む。

よほどお気に入りの一品なのだろう。

そんなりんご飴を食べながら、皆で街を歩いて行った。