着いた先は宿屋だった。
ここで一泊をして、明日は一日中祭りを満喫するという計画だ。
そしてエリーはアンナと同じ部屋。
「明日はいよいよ火炎の陣ね」
「そうですね! 楽しみです」
エリーはにこにこと答え、窓の外を眺める。
街の様子がよく見える宿だ。
もう外は暗いはずなのに、まるで昼間のような賑やかさだ。
「明日がお祭りだからってのもあるけど、フランメはヴィルベルよりもずっと賑やかな街なのよ」
「そうなんですか?」
「ええ。エリーもきっと気に入るわ」
「はい!」
窓の外を眺めながら、エリーはにこにこと笑う。
街で揺らめく炎を見つめるエリーの瞳も赤く染まっている。
そんなエリーを見てアンナは微笑んでいた。