フランメの街はヴィルベルとはまた雰囲気が違っていた。
祭りの前日だからか、とても賑わっている。
屋台の準備をしている姿も見られる。
忙しなく動いている人々を見て、エリーは目を大きくさせてきょろきょろとしていた。
どういう仕組みなのか、街のいたるところが燃えている。
そんな炎もあって、暑さが倍増している。
ヴィルベルから出たばかりのエリーは暑さに顔を赤くさせながら歩いていく。
アンナとダニエルはサラと楽しく話をしていて、その一歩後ろをウィリアムが歩いている。
これがこの幼なじみ四人の雰囲気なのだと思うと、エリーは心の中も温かく感じた。
シェルは無表情でエリーの少し先を歩いている。
ぼーっと皆の後ろ姿を見ていると、エリーは人混みに押されてしまった。
よろけるエリー。
皆との距離がどんどん開いていく。
リヒトの姿を探すが、見当たらない。
なんだか息が苦しい。人が多いからだろうか。それとも暑さのせいだろうか。