エリーは食材の買い出しをしていた。
昼食を食べ、部屋にこもっているウィリアムの分をわかりやすい場所に置いておき、リヒトと共に出かけた。
「今日の夕飯は何がいいかな」
エリーの言葉に前を飛んでいたリヒトが目を輝かせて振り向く。
「クッキーはもう作ってあるよ」
苦笑しながら言う。
リヒトは満足そうに頷き、前を向いた。
エリーの家に居座るようになってから、リヒトはクッキーしか口にしていない。
他のものも食べさせようとしたが、リヒトは首を横に振るだけだ。
食事をしなくても平気な様子も見られる。
妖精はそういうものなのだろうか。