しばらく見とれて、エリーはハッとして隣を見る。
ダニエルの姿がない。
あれ、と思うのと同時に、首に冷たい感触がした。
「じっとしてて」
後ろからダニエルの声がする。
エリーは言われた通り直立不動で待機した。
「はい、いいよ」
そう言われて振り返ると、そこには嬉しそうに微笑むダニエルの姿があった。
冷たい感触の元に触れる。
エリーの首には、ガラスで出来たネックレスがぶら下がっていた。
深い青色のとても綺麗なガラスだ。
「あの、これ……」
「君の蜂蜜色の瞳によく似合うよ」
そう言ってダニエルは顔にかかっていたエリーの髪を左耳にかけた。
エリーは照れたように顔を赤らめる。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
優しく微笑み、行こうかとダニエルは歩き出す。
歩きながらいくつかお店を覗いていく。
しかしヴィルベルは一日で全て見られるような広さではなかった。
次はまたリヒトを連れて迷子にならない程度に探検でもしようかな、とちらっと見ただけのお店たちを見てエリーは思う。